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zoom RSS 山行記録>槍ヶ岳 980606 深田百山日帰り

<<   作成日時 : 2000/04/22 14:46   >>

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【日 程】1998年06月06日
【山 域】北アルプス岐阜県上宝村
【山 名】槍ヶ岳(3180m)
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【地 図】
「この地図の作成にあたっては、国土地理院発行の数値地図25000(地図画像)、50mメッシュ(標高)を使用しました。」
国土地理院の成果の使用・複製に当っては、規定を守って下さい。
ルート記入はカシミールで作成しています。

【交 通】マイカーでR41・R471経由、栃尾温泉より新穂高温泉に。
【水 場】沢を行くので水場多い、≒2250m辺りが最後の水場
【メンバ】富山橋1人
【天 候】晴れ〜時々ガス
【タイム】今回 登り9:10 下り6:10
     通常 登り9:00 下り6:10(岐阜の山より)
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北アルプス槍ヶ岳、この山も「3000m級百名山日帰り」の目標にして来た山です。標高差2000m、通常所要時間9時間と、奥穂高岳と条件はほぼ同じですが、2200mまで続く緩い登りが歩行距離を長くしており、穂高岳より手強い山行になるだろうと思っています。
去年の9月、下準備のつもりで、今日と同じルートを登り始め、大雨と時間切れで、2800mで引返しましたが、今日は本番、好天に助けて貰いながら、何とか頂上に達して、下山させて貰いたいものと思っています。

01:15 富山市の自宅出発
R41では県境の検問に出合ってドッキリ、免許証確認だけで通過、R471では、何ヶ所か工事のために片側通行になっていて、少々無駄時間を使い、予定より遅れて新穂高温泉に入りました。

03:00 右俣林道ゲート到着

右俣林道ゲート
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右俣林道ゲート近くの林道脇に駐車した車は1台のみ、ゲートに「槍平小屋・南岳小屋は冬季閉鎖中」の案内が掲示してありました。
03:10 林道ゲート出発(1180m)
暗闇の中、ライトを点灯して出発、空には星が見えていますが、満天の星空になっていないところを見ると、雲の多い晴れなのでしょうか。
今日も熊避けの鈴を2個付け、わざとらしく音を出しながら歩きますが、沢の水音にかき消され、何処まで熊避けになっているものやら疑わしく、変った物音にギクッとしながら歩きます。

林道が右に折返し、沢から離れようとする所に、穂高平まで5分の案内板が有り、ここら辺りから少し明るくなって、早起きの小鳥のさえずりも聞え始め、いくらか物音にも慣れ、気持も楽になりました。

04:00 穂高平小屋(1350m)
シーズン前の人気の無い小屋前を通り、小屋前の牧場の柵も過ぎるとと、鬱蒼とした樹林に入って行きます。
沢音も遠くなり、小鳥のさえずりが賑やかになった林道歩きは、壮快な気分で歩く事が出来ます。小鳥の種類も同定したいところですが、わずか一種コマドリのさえずりしか同定出来ないとは残念です。

04:15 柳沢
かなり規模の大きい砂防工事をしてる場所ですが、沢を横断する頑丈そうな橋が完成していますが、たしか去年の秋は無かったはずです。
ちと気になったのは、土の流失防止の植生に、知らない草に混じってクローバが多く見えていた事ですが、周囲の環境に対しては良くない事ではないでしょうか。

さて、小鳥の鳴く林道はまだまだ続き、いくつか私の知っている鳴声が加わった様で、ホトトギスとウグイスが混じり、遠くでホーホーと聞えるのはフクロウでしょうか。

白出沢に近付く頃には、もうすっかり明るくなり、早朝の森林浴を満喫し、散歩する気分で歩いて行けます。

04:40 白出小屋・奥穂高登山口・白出沢(1550m)

白出小屋
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白出荷継小屋前、奥穂高登山口を通り過ぎると林道終点、白出沢の涸れ沢に出合います。白出沢を渡った対岸にマークが見え、この先は登山道状の道になります。

登山道はかなり広い道で良く踏まれていますが、土よりも石が多く、歩くには快適とは言えない道です。
針葉樹林で始っていますが、ここでも鳥のさえずりは途切れる事なく続き、一本調子道の退屈しのぎにってくれるようです。

オオバミゾホウズキ
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広葉樹林の下に出ると、花も目に付く様になって来て、カラマツソウの白い花が疎らに有り、オオバミゾホウズキの群生か、黄色い花が見えていました。
右の視界の開けた所では、穂高の一部も見えていまが、振向くと笠ヶ岳の端正な山容も見えており、緑・花・展望と良い雰囲気になって来ます。
05:40 チビ谷(1660m)
大きな岩の隙間が、岩屋の様になった前を通り過ぎると、次の涸れ沢チビ谷に出合います。沢の上部には僅かの残雪が見えていますが、この雪の量では、もう間もなく消えて無くなる事でしょう。
本流の沢が近くなるので、鳥のさえずりは聞えにくくなりますが、花は次第に良くなり、秋には赤い実だったゴゼンタチバナの白い花、ミヤマカタバミも足元の石の下から可憐な花を見せていますし、ズダヤクシュも咲始めています。

06:20 滝谷避難小屋(1750m)

滝谷避難小屋
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滝谷の左岸に建てられた、ブロック造の小さな小屋で、小屋前も小屋の中も、持帰らないゴミが散乱していました。覗いてみると、1人の泊り客が有り、これから下山との事で、準備をしているところでした。

滝谷には急流が流れていて、流れにかかるはずの橋を探しますが、ただゴウゴウと音をたてて流れ落ち急流が見えるだけで、橋は跡形も有りませんでした。
仕方がないので、渡れそうな所を見付けて、徒渉するしかあるまいと、水しぶきのかかる石を足場に、なんとか対岸に渡りました。靴に少し水が進入しましたが、無事に徒渉完了でした。

対岸に出て1〜2分行くと、大岩に滝谷ルートの開拓者、藤木氏のレリーフがはめ込まれて有り、その付近には大量の清水が湧出していまう。ここでしばらく休憩とし、朝食にしました。

登山道は少し登りが強くなりますが、ガタガタの石畳の状態が続き、登りは良いのですが、下りでは疲れた足に相当応えるはずです。

06:50 涸れた沢(1830m)
無名の涸れ沢ですが、南沢との中間辺りにあって、右俣谷の見通しが良い場所で、右俣谷の奥の新緑が美しく見えています。

07:10 南沢(1900m)
右俣本流とだいぶ離れたのか、沢音が遠くなった所で涸れ沢に出合います。大きな石に南沢と書いて有ります。沢を登る様に進みますが、すぐに渡って、溝のようになった登山道を行くと、右俣本流の水際に出ます。

07:30 槍平・槍平小屋(1980m)

槍平小屋
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平坦な場所になり、視界が大きく広がったところが槍平で、ゆったりとした流れと広い河原、草原には高山の花が咲き、樹林が有り、突上げる岩峰の展望有りの、別天地になります。

時間はどうでしょうか、ここまで4:10、昨年秋とほぼ同じペースでここまで来ている様で、順調な稼ぎと言って良いでしょう。

シーズンに向けての準備に入っている小屋の、旧館と新館の間を通り、キャンプ場に出て、槍ヶ岳・南岳・奥丸山の分岐道標に従い、本流に沿って槍ヶ岳に向い樹林の道に入ります。

ニリンソウ・サンカヨウ・キヌガサソウ・エンレイソウ・ミヤマキンポウゲを始め、私の知らない花なども有り、いよいよ本格的な「花の山旅」を楽しませてくれます。

ニリンソウ
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サンカヨウ
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キヌガサソウ
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エンレイソウ
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針葉樹の樹林を抜け、ダケカンバの樹林になると、鳥のさえずりも一段と良く聞えるようになり、木々もまだ新芽の状態で、山桜の花も見られる様になりました。

08:15 大喰沢(2150m)
このルートは、幾つも渡る大きな涸れ沢がポイントになっています。その涸れ沢も大喰沢が最後になるでしょうか。今はデブリの残雪が有り、一歩一歩踏込む様にして進みますが、滑落する程の傾斜ではありません。

08:40 最後の水場(2250m付近)

最後の水場
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小沢に清水が湧きだし、最終水場の表示がして有ります。渇水期には涸れてしまうかも知れませんが、今は冷たい清水が流れ出しています。
ここまで飲水だけ持っていたのですがが、頂上でみそ汁などを味わいたいので、ここで2Lのポリタンクに水を満たして行くことにしました。
09:20 標識(2450m)
目の前の景色を遮っていた中崎尾根が低くなり、 西鎌尾根 が見え始めると、樹林が途切れ草地になって、立派な道標が設置して有る場所に出合います。
アザミの新芽があちこちに見えますが、秋には、たしかこの辺りでアザミの花の群生が見られたはずです。
一面に見えたベニバナイチゴも有りましたが、未だ芽吹きが始ったばかりで、枯草の様に見え、濃い紅色の花の時期には間があるら様です。

09:45 千丈乗越分岐(2550m)
高木が見えなくなり、岩と草原になると、大岩に千丈乗越と槍ヶ岳への分岐表示がして有ります。
分岐近くでは、千丈乗越方向への踏み跡は明瞭で有りませんが、西鎌尾根方向の斜面には、はっきりした踏み跡が見えています。

足元にはキバナシャクナゲがもう満開の様相になっており、傍らにコメバツツガザクラが可愛い花を見せています。

西鎌尾根
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キバナシャクナゲ
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コメバツガザクラ
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振り向けば、奥丸山の先に笠ヶ岳が見えそうですが、頂上辺りは厚い雲に覆われ、見る事は出来ませんでした。

10:40 ハイマツ帯(2800m)
千丈乗越分岐から稜線までは特徴有るポイントは有りませんが、登山道がハイマツ帯を通過している場所が有ります。
この辺りから2900mにかけて、2箇所ばかり登山道を隠す様な残雪が有り、残雪を巻いて通過する事も出来ますが、ここは残雪に乗ってみる事にします。雪は柔らかく、アイゼンの必要を感じる事はありません。

3000mに達しようと云う高度でも、ハクサンイチゲ・ミヤマキンバイと、早くも真夏の花も咲始めています。

ハクサンイチゲ
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ミヤマキンバイ
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西鎌尾根と南稜線と笠ヶ岳方向のガスで、遠望の効かない登りが続きますが、鷲羽岳と水晶岳 は時々姿を見せる時があります。
雲間に見える鷲羽岳と水晶岳を見て、双六から延びる西鎌尾根を追いかけると、その頂点に小屋の屋根の様な物も見え、いよいよ飛騨乗越も近くなったと感じます。

11:30 飛騨沢乗越(3010m)
もうすぐそこに見えた飛騨沢乗越ですが、ようやく標識もはっきり見える様になり、飛出した稜線からは、 東鎌尾根から表銀座の山々、 常念岳・蝶ヶ岳が見え、眼下の槍沢には、西面よりかなり多い残雪と、赤い屋根の山小屋が目に入ります。
右に見えるはずの大喰岳はガスに隠れて見えませんが、左を見ると突上げているのが 槍ヶ岳頂上 です。なかなか姿を見せなかった槍ヶ岳頂上ですが、ここまで来てやっとその姿を見せてくれます。残り200mの標高差ですが、意外に近くに見えていました。

鷲羽岳と水晶岳
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東鎌尾根から表銀座の山々、
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槍ヶ岳頂上までもう少し
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11:50 槍岳小屋(3080m)

槍岳小屋
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稜線沿いにキャンプ場を通り抜ければ槍岳山荘に出合います。小屋はすでに営業を開始いていました。
さあ、もう僅かになった最後の登りです、もう手が届くかの様に近い頂上だですが、ここで気を緩める事無く、慎重に上り詰める事にしましょう。

12:20 槍ヶ岳頂上(3180m)
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最後の階段を一気に登れば、遠くから見て想像するよりはかなり広い頂上です。
素晴しい展望と言いたいのですが、穂高方向と立山方向は残念ながらガスに隠れ、見えるのは、稜線から見た展望と同じ で、穂高方向と立山方向はガスに隠れてしまっています。
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今日は展望が無くても良いのです、梅雨時期と言うのに雨にも会わずにここまで来られた事で充分、一休みしようではありませんか。

13:00 下山開始
ガスが晴れる様子もない。ゆっくりと休んだ訳では有りませんが、タイムリミットも近い、目標では「暗くならない内にゲートにたどり着く事」ゆっくり登ったので、余力は充分有る様に思います、安全第一にして下山する事にします。

14:15 千丈乗越分岐(2550m)

15:30 槍平(1980m)

16:20 滝谷避難小屋(1750m)

17:50 白出小屋(1550m)

19:10 林道ゲート(1180m)
予定通りライトは使わずにゲートに到着、おめでとう。


後記
少ない残雪と好天に恵まれ、「槍ヶ岳日帰り」も無事終える事が出来ました。
鳥のさえずりを聞き、新緑を眺め、花を愛でて登り、ようやく到達出来た頂上は、シーズン前の静かな頂上で、展望を眺めながら昼食まで楽しませてもらい、大いに感動した山行でした。

    「世に人の 恐るる嶺の槍の穂も やがて登らん我に初めて」
    「極楽の 花の台か槍ヶ岳 のぼりてみれば見えぬ里なし」

槍ヶ岳、その山容は登山者の憧れ、標高3180m。初めてその穂先に立ったの
は、江戸後期の山岳修行僧、播隆上人でした。(槍岳山荘HPより)

播隆上人は我が郷土富山県出身でした。命を懸けてこの槍ヶ岳に立ち向おうとし、無心の境地に入った時、ようやく頂上に立つ事が出来た上人。
それに比べれば、現在の日帰り山行など比べるべきも無いでしょうが、今回「槍ヶ岳日帰り」に当り、何事も忘れて登り、あるいは下っている自分を垣間見「上人の修行の一旦に触れた様だ」と云うのは、思い上がりでしょうか。

1998年6月9日 富山橋

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