自然を楽しむ山歩き>富山 北信越飛

アクセスカウンタ

zoom RSS 山行記録>剱岳960713早月尾根2300m登降_日帰り

<<   作成日時 : 2000/03/31 18:00   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 3 / トラックバック 0 / コメント 0

年別山行リストへ/地域別リストへ/富山橋トップへ
---------------------------------------------------------
【日 程】1996年7月13日
【山 域】北アルプス富山県
【山 名】剱岳 2998m
画像

【地 図】1/2万5千:剱岳
画像
「この地図の作成にあたっては、国土地理院発行の数値地図25000(地図画像)、50mメッシュ(標高)を使用しました。」
国土地理院の成果の使用・複製に当っては、規定を守って下さい。
ルート記入はカシミールで作成しています。

【交 通】マイカーで上市町馬場島まで
【水 場】途中に水場無し(今回は1900m付近から雪渓多)
【メンバ】富山橋1人
【天 候】晴一時曇り
【タイム】今回=登り8:30/頂上と食事1:00/下り6:30
     通常   8:50         (一泊)6:00
---------------------------------------------------------
久しぶりに早月尾根に取付いてみたくなりました。

先日ブナクラ峠に登った時、馬場島手前で見た剱岳が偉容に高く感じ、頂上まで長く延びる早月尾根が、いつもよりほんの少し優しく見え、ブナクラから帰った後、行ってみたい気持が次第に強くなり、山SIGのヒサオさんのメッセージに「早月尾根」の一節にも刺激され、今日の山行となりました。

もしかして、天気と体調そして山の機嫌が良ければ、頂上まで行かせて貰えるかも知れませんが、小屋泊りやビバークも考慮し、早月尾根とのふれ合いを楽しみにして出発しました。

02:40 富山市の自宅発
空は期待通り満天の星空、山の方向は真っ暗で何も見えませんが、今日はきっと素晴しい展望が得られる事でしょう。

03:25 馬場島(760m)
右に立山川、左に白萩川が雪解け水を集めて、滝のような音を立てる剱岳登山口の馬場島に到着、周辺はキャンプ地や遊歩道が整備され、シーズンになれば多くのキャンパーが訪れます。でも今日はテント2〜3張りしか見えない様です。

まだ暗いので車のライトで出発準備をし、早速の出発になりましたが、歩き始めて20分位いだったでしょうか、ハムのハンディー機を車に置忘れて来た事に気付き、取りに戻る事になってしまいました。
最近ハンディ機は、1人歩きの時の大事な友達になってしまっています。

03:50 取付き口
改めて出発、空は少し明るくなり、先程まで必要だったヘッドランプも、もう必要はありません。
登山口の遭難者慰霊の祠に無事願いの一礼をし、早月尾根の末端に取付きます。
登山道はいきなりの急登で始まりますが、100mも登らないうちに緩い坂に変わり、広葉樹林で覆われた中を進みます。

04:30 松尾平(1030m)
4年前に行った時には、ここに古ぼけたベンチが有って、ようやく見え始める剱岳の稜線を見ながら休憩したはずですが、今ではベンチの脚の名残が有るだけです。

(2003年撮影)剱岳の稜線
画像

日の出前の小窓尾根の稜線は、黒い巨大怪獣の背の様になって目の前に立ちはだかり、恐怖感さえ感じるほどになっています。
先日登ったブナクラ峠も見え、その左に毛勝三山の一角、猫又山も見え始めています。

ナラの大木があちこちに見られる水平道を進み、かなり登ったと思う所で、やっと1000mの標識が表れます。(( )内は高度計表示)
その先は尾根を少し外れ、急斜面をのぼり始めます。径が2m以上の杉巨木が次々表れますが、全体的には広葉樹林で、背の高いブナも混じっている様です。

05:20 1200標識(1280m)
地図には1250から1300m辺りに針葉樹の表示が有りますが、相変らず広葉樹林に立山杉の点在する樹林帯が続き、視界はあまり効きませんが、後の毛勝山方向が時々見え、朝日が猫又山の先端を照らし始めています。

05:50 1400標識(1490m)
右方向に窓が開いており、眼下の雪渓に埋った立山川と対岸の大日連峰が、大熊山から早乙女岳、大日岳から奥大日岳に山を連ねています。大日岳を少し下りた稜線の赤い屋根は大日小屋でしょう。

歩き始めて2時間、そんなに空腹を感じる訳では有りませんが、早めに朝食を取り長丁場に備える事にします。

06:20 1600標識(1600m)
この付近で後から来た1人の登山者に追越されました。大阪から来たそうですが、少し行くと前方に姿を確認する事は出来なくなってしまいました。

06:50 1800標識(1760m)
樹林帯は相変らずですが、木々の高さは幾分低くなり、時々見える山々の山容もかなり違って見える様になって来ました。
奥大日の上に立山室堂の上の山らしき姿が見えたり、毛勝山・釜谷山・猫又山の三山も見える様になり、少しづつ高山らしくなって来ています。

07:15 三角点(1920m)
手前の展望台を過ぎると三角点になります。ピークは低木樹林に覆われており、ここでは後方のみしか視界は効きませんが、少し先の鞍部に下りると毛勝連山から小窓尾根の山々が良く見える様になります。
同時に雪渓も急に多くなり、雪が無ければ池塘の有るこの辺りも今年の大雪に埋り、尾根近くの一角にキヌガサソウやサンカヨウの花を見せているだけです。

(2003年撮影)キヌガサソウ
画像

08:20 尾根筋離れ道(2000m〜2100m)
登山道は何故かこの辺りで、尾根筋を離れ雪渓の斜面を横切ります。どの雪渓にもトレールが見えず、雪渓の出口がわかりにくい所です。2050mの雪渓はトラバースする様に進み、雪に埋った廊下か大溝と表現したい様な場所を登ると、雪が切れて登山道が表れ、やがて尾根道に戻ります。

ここを過ぎ早月小屋近くの急登のロープ場を登り切ると、立山川方向の展望台が有り、20〜30m行くと小屋の見えるピークになります。

08:50 ピーク(2224m)・早月小屋(2200m)
小屋はピークを越えて、10〜20m下った鞍部に建っています。
小屋の前には大雪渓が広がり、まだ春山の様相で新緑も美しく、前方のピークの上空に剱岳の頂上付近も顔を出し、小窓尾根も目の前に迫り、剱岳の小屋として、雰囲気を満喫出来る所です。

(2003年撮影)その後、小屋は改築された
画像

今朝の天狗殿は、小屋前でテーブルを掃除していました。用心のため、今日の宿泊は可能か聞き、日帰りで下山するつもりと告げて小屋を後にしました。

雪渓を少し登り右の尾根道に取付き、後半の行程に入りました。ここは2300mを越えても、樹林が残り視界を遮る事が有りますが、その代りに樹林の下には可憐な花を見せてくれます。

所々にキヌガサソウの群落が有り、ベニバナイチゴの群落も珍しいし、ハリブキ・ヤグルマソウ・シラネアオイ・カラマツソウなど種類も多く、岩峰の景色ばかりではなく、花の早月尾根もなかなかのものです。

09:50 2400標識(2450m)
ここまで来るとさすがに岩肌とハイマツ・シャクナゲの低木と草地になり、樹林で視界が遮られる事は無くなりました。

時々見えていた毛勝山から赤谷山方向の山や、大日連峰も随分低くなり、登山道は左右とも切れ落ちたやせ尾根を通り、2600mの岩峰ピークに向う急登になります。

岩の急斜面なのだが、岩の合間にお花畑が広がり、多くの夏の花が咲始め、ハクサンイチゲ・シナノキンバイが広く咲き、ツガザクラ・イワベンケイ・ミヤマキンバイなど所々に可憐な花を見せています。

(2003年撮影)早月尾根の花畑
画像

10:30 2600標識(2600m)
この先は次々に岩峰ピークが有るものの、巻いて通るので緩い傾斜の登山道なのですが、尾根よりわずかに池の谷側に下がっているので、この辺りから次々と表れる雪渓をトラバースする事になります。
ピッケル無しで転倒しようものなら、池の谷の底まで700〜800m滑落するだろう雪渓ばかりで、慎重にかまえての雪渓歩きをしなければなりません。

10:40 2614ピーク下
ヤマザクラの咲く一角が有り、その下には残雪が有って、今まさに満開のピンク色の花を付け、季節外れの花見と雪見が出来て、思わず「オー素晴しい」と声を出してしまったほどです。

(2003年撮影)夏の花見
画像

ほっとするのもつかの間で、ここから2700mにかけの幅広い雪渓は、避けて通る事は出来ず、一歩一歩しっかり蹴り込んで歩くしかありません。

11:40 2800標識(2800m)
少し穏やかな登りのハイマツの尾根が続き、いよいよ登山道は大詰に近づき、頂上近くの別山尾根道との分岐標柱もはっきり見え、前方には岩場の急登も待ちかまえている様です。

岩の横腹を鎖に掴まって横這いすると鞍部に出て、ここで三角点の近くで追越された登山者の下山に出会いました。「頂上にはガスが漂い、視界が悪かったのであきらめて下山をして来たが、ここに来てガスが晴れて、視界が良くなって来たのが残念」と、ここで写真を撮っていました。
「時間も体力も有る様だから、一緒にもう一度頂上へ行きますか」と言って見たが、当然でしょうが「そんな気にはなれない」との事で、下山して行きました。

12:00 鞍部から岩場登り(2880m)
尖ったピークとその向こうに鞍部が見え、そこには今までで最大級と思われる雪渓を付けた沢が、池の谷に向って落込んでいます。
雪渓の下には夏道が有る様で、雪渓に乗れば鞍部は直ぐなのですがが、とてもその気になれない猛烈な傾斜です。
立山川側は雪は無着いてませんが、更に急傾斜で切れ落ちており、ピークを右巻にする事など考えも出来ません。ここは雪の無いピークに登るしか無いでしょう。

(2003年撮影)鎖で横バイ
画像

(2003年撮影)03年はアイゼンが有ったので、通過出来た
画像

鞍部からの100m足らずは、あちこちにルートのマークが有り、好みのルートを選んで登れば良いのですが、どれも垂直に切立った岩場の連続で、鎖・ロープに助けられての登りになります。
上を見て登るのは体力がいるだけですが、鎖に掴まってのトラバースは、足がかりが狭いと、腕を張って体を谷側に倒す必要が有るので、思わず緊張し体に力が入ってしまい、登るよりも大変です。
ようやく切立った岩場を登り切ると、大岩がゴロゴロした場所になり、視界も大きく開き始めます。
(2003年撮影)
画像

12:30 2998m剱岳頂上
別山尾根道と合流し、後立山の見える様になった道を、100mも行けばもう頂上です。無事頂上に着いたお礼と下山の無事を願い、祠に一礼をして展望を確かめます。
「今日の頂上はガイドブックに書かれている通りの展望が楽しめる」と書くだけで良いのでは無いかと思いますが、一応書いておく事にします。

近くに立山・薬師、遠くに槍・穂高・笠ヶ岳、朝日岳・白馬岳から針ノ木岳に連なる山々も近くずーっとずーっと遠くに、富士山の様に見える山は、何処なのでしょうか、地図が無いので確認は出来ませんでした。

(2003年撮影)頂上から毛勝三山
画像

眼下を見下ろせば、剱沢の小屋や仙人の小屋が見え、早月尾根の方向を見ると、登って来た尾根から麓が見え、今日は日本海・能登半島まで見えています。

一通り展望を楽しんだ所に、先程から追いついて来た登山者が到着しました。これで今日の早月尾根ルートの登山者は3人になりました。3人とも日帰り予定者ばかりだった様です。

13:30 下山
後から来た登山者は30分前に下山して行きました。私も遅くならない内に下山する事にします。
計画より30分遅れの下山になりましたが、安全第一を念頭に置き、下山を開始します。

14:45 2600m鞍部

15:45 早月小屋(2200m)
途中でハムの交信を楽しみながら、2時間15分の所要時間で小屋まで来ました、順調な下山ペースです。
これなら19時過ぎまでには、馬場島に戻れるでしょう。
2050m付近の雪渓で、天狗殿とその友達らしき若者が、靴で雪渓を滑って遊んでいました。私も上部からグリセードで降りて行くと、「余り下まで行くとヤバイですよ、道はこちらですよ」と行ってくれました。

16:40 三角点(1920m)
三角点の少し前だったか、右足の膝が変な調子だなと思い始めていました。これは途中で本格的に痛んでは大変と、下山ペースを落す事にしました。

17:00 1800標識(1760m)

17:50 1400標識(1490m)

19:10 松尾平(1030m)
残念ながら日は沈み、辺りは暗くなり始めました。膝の痛みは大した事にはならない様ですが、急坂の下りはヘッドランプと懐中電灯を用意し、残り少なくなしましたが、ここに来てケガをする事が無い様、慎重に下山しました。

20:00 取付き口(760m)

後記
剱岳は岩峰と言われ、まさにその通り険しい岩峰である事は、間違いの無い事実です。
しかしその頂上を目指す登山ルートの一つ、早月尾根ルートは岩場ばかりではなく、標高2400mまでは樹林に覆われ、2600mまでは低木と草地で、岩場は400m足らずしか有りません。
従って、この長い長いルートを岩峰だけを楽しみに登っていては、もったいない話になる様に思います。

今回私の早月尾根ルート登山は、このルートの花に期待をしてみたいと云う思いも有りました。岩場の花として何か珍しい花でも無いかと思いましたが、私のような者に珍しい花など見つかるはずも有りません。

しかし、私が今までこの登山道で確認した事が無い花、ハクサンチドリ・ハリブ・カラマツソウを始め、21種の花を見る事が出来ました。その他にも確認出来ない花も多数有り、期待通りの花のルートで、登りの長さなど気にならないほど、楽しい山行でした。

真剣に取組む岩場での緊張も快いものですし、登り切ってほっとして眺める景色は、今日ここへ登った者だけに与えられる、山からの送り物であろうと思っています。

多くの感動を沢山のほめ言葉を綴るつもりでしたが、もっともっと有った感動の一分も書いていないような気がしてなりません。

剱岳の良さは私の様な者が書き表すには、あまりにも素晴らし過ぎる山の様です。

1996年7月18日 〜富山橋

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 3
なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
ガッツ(がんばれ!)

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
山行記録>剱岳960713早月尾根2300m登降_日帰り 自然を楽しむ山歩き>富山 北信越飛/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる